研究科長あいさつ

岩手県立大学大学院看護学研究科は、岩手県初の看護学研究科として平成14年4月に博士前期課程を、平成16年4月に博士後期課程をスタートさせ、これまでに両課程あわせ150名以上の修了生を送り出してきました。

看護専門職の対象やその生活背景は多様化しています。ここ数年は自然災害が多発し、加えて感染症も大きな脅威となっており、人間の命や健康、生き方がクローズアップされている時代です。人々の健康課題にどのように向き合い看護学の専門性を発揮していくのか問われています。岩手県立大学大学院看護学研究科では、その時代のニーズに対応し、看護学の実践や学問としての発展に寄与することができる人材を育成しています。

博士前期課程では、人々の健康問題、意識の変化、医療・科学技術の進歩に対応するために看護実践の諸活動の科学的根拠とその背景となる理論及びその応用について研究する力を修得します。特に研究を通して、看護実践を改善・推進する能力と倫理観を養うことを重点とし、「実践」と「実証」を大切にした教育・研究に取り組んでいます.また,慢性疾患看護とがん看護の二つのCNSコースも開設しています。

博士後期課程では、より高度で独創性、発展性のある看護研究を行います。看護学における新たな理論構築や看護方法・技術の開発により、看護実践者、看護管理者、看護教育研究者それぞれの立場で、看護学の発展に貢献できる高度な研究能力を修得します。

看護学は実践の科学ですので、研究や教育に携わる場合も、実践経験がとても重要になります。しかし、時々立ち止まって日常の看護実践を、意識的に振り返り、立つ位置を変えて“見つめ直す”。そうすることで、看護として大切な事(看護の本質)が見えてきます。それはケアの対象者を理解する第一歩にもなります。これが大学院に身を置いて学び研究をする意義だと考えます。

岩手県立大学大学院看護学研究科では、学ぶ方々の実践の場での素朴な疑問や検討課題の解決、そして看護観の発展をお手伝いします、自らの“問い”から研究テーマを明らかにさせ,看護の事象や対象の世界にじっくり向き合いその意味を解明したり、疑問や課題を解決したり、あるいは新たな看護技術や看護理論を創出したりと、多様な研究ができます。

ぜひ岩手県立大学大学院看護学研究科で、一緒に看護学の発展を目指しましょう。


岩手県立大学大学院看護学研究科 研究科長 福島 裕子

 


Top