学部長あいさつ
皆さん、こんにちは。岩手県立大学看護学部の学部長の福島裕子です。
看護学は、人間の命や健康、そして生活を支える学問として発展を続けています。
人間は多様な存在です。それぞれの感じ方や思いを持ち、多様な場で生活し、歴史を刻んで生きています。看護学は、そのような多様な存在である人間を深く理解し、その人に合った健康支援を考え、そして実践をしていく学問です。このように人間の生活様式が多様化する現代社会ではあらゆる場で、看護専門職の活躍が期待されています。
岩手県立大学看護学部では、学ぶ皆さんが人間性豊かに成長し、科学的知識に裏付けられた看護学の確かな知識や技術、深い倫理観を学ぶことができるカリキュラムや学修環境を整えています。
1年生の入門科目では、アカデミックスキルを経験的に学びます。グループで調べ、討議する中で、高校までの「教えてもらって習う」姿勢から、「自ら “問い”を持ち、主体的に学修する姿勢」を学びます。また、基盤教育科目やサークル活動で、他学部の学生たちと交流を深めコミュニケーション能力を高められるのも岩手県立大学看護学部の魅力の一つです。
看護学の専門科目は、1年生から積み上げて学んでいきます。シミュレーション教育用機器の活用や地域住民や実習施設の看護専門職に模擬患者となっていただく演習も取り入れ、個々の対象に合わせた科学的根拠に基づいた看護実践を段階的に学修します。開学から22年の歴史を基盤に持つ本学では、県内の多くの施設と連携しており、実践的で充実した臨時実習ができます。岩手県内に就職した先輩たちが、皆さんの実習指導に関わる時代にもなってきました。このように岩手県の看護専門職と深い連携を持ちながら、看護学を学べることも本学の特徴です。
4年生では、ほぼ1年間かけて卒業研究に取り組みます。これまでの看護学の学びを通して出てきた自らの“問い”を大切にして研究テーマを定め、研究計画書作成、データ収集、分析、そして研究論文作成まで、一連の研究プロセスを学びます。この学びは、将来、皆さんが現場で活躍するときに課題解決や研究的な取り組みを実践するときにとても役立ちます。 自ら“問い”を持つこと、それを解決する研究的姿勢は、看護学の発展にも貢献していくことになります。
岩手県立大学看護学部ではアメリカやイギリスの3つの大学と学部間協定を結んでおり、学生の海外研修や遠隔講義で国際的に看護学を学ぶ機会も準備しています。東日本大震災以来、継続して被災地住民の健康支援に取り組んでいるサークルや、地域の中学生や高校生への思春期教育を実践するサークルなどもあり、学生が生き生きと活動しています。
このように岩手県立大学看護学部には多くの笑顔と夢があふれています。これからの看護学の発展のために、皆さんと共に学びあえることを楽しみにしています。
岩手県立大学看護学部 学部長 福島 裕子