カリキュラム

大学に入学するとどんな授業が始まるのでしょうか。岩手県立大学看護学部の4年間のカリキュラムを紹介いたします。

学部の目的

幅広い教養を基盤として、看護実践における専門的知識・技術を学び、看護の援助・支援を必要とする人々の立場に立ち、主体的な看護を展開し、更なる看護学発展のために継続的に学び続けることができる人材を育成し、岩手県に貢献すること。

卒業認定・学位授与の方針(DP:ディプロマ・ポリシー)

目指す人材像

岩手県立大学の学士課程では、幅広い教養と国際感覚を備え、知識を柔軟かつ創造的に活用して主体的に行動できる人間を育成します。県立大学の強みを生かし、地域と連携した実践的教育を通して、産業経済、福祉医療、地域政策等の分野において専門知識を活用して課題解決に取り組み、豊かで活力ある社会の形成に貢献できる人材を輩出することを目指します。
看護学部では、本学の建学の理念、教育の特色、教育研究上の目的を踏まえ、以下の能力をもてる人材の育成を図ります。

(1)市民としてこれからの社会の発展のために課題を見出し、問題解決のために批判的に思考し、論理的に表現できる人材(学士として普遍的・汎用的能力を備えている)
(2)看護職者として、ひと、文化の多様性を理解し、身体的・精神的・社会的側面から援助・支援できる人材(看護専門職としての能力を備えている)
(3)卒業後は看護職としての実践を積み重ね、看護学を探究し、生涯にわたり自己研鑽でき、看護実践を改善するリーダーとなり得る人材(更なる看護の発展に寄与できる能力)

そして、本学学則に定める卒業要件に必要な年数以上在学し、かつ、単位を修得した学生を、次に掲げる「学生が卒業までに身につけるべき能力」を備えた者とし、学位「学士(看護学)」を授与します。

学生が卒業までに身につけるべき能力

DP1:学びの主体者となり、クリティカルに思考し、論理的に表現できる。(課題発見・解決能力)
DP2:幅広い教養を基盤として、看護を考えることができる。(幅広い教養、専門知識、社会への関心)
DP3:ひとの多様性を理解し、一人ひとりを尊重するかかわりができる。(専門知識、コミュニケーション能力)
DP4:多様な場で状況に応じた看護の方法を考えることができる。(専門知識、社会への関心、課題発見・解決能力)
DP5:基本的な看護技術を用いて、対象となる人へ支援することができる。(専門知識、コミュニケーション能力、課題発見・解決能力)
DP6:看護学を探究し発展させる基盤を備えている。(専門知識、課題発見・解決能力)

教育課程編成・実施の方針(CP:カリキュラム・ポリシー)

学部の教育内容及び教育方法

岩手県立大学の学士課程教育では、卒業認定・学位授与の方針に掲げた共通の柱及び学部ごとに設定する能力の育成のため、基盤教育科目と専門科目を中心としたカリキュラムを編成・実施し、学生が主体的・能動的に学ぶことができるよう、講義、演習、実習等を適切に組み合わせた授業を開講します。

CP1:「生きる」を支えることができる思考に関する科目(基礎科目、教養科目)を開講し、学士課程の看護学教育として、幅広い教養を基盤とし、確かなアカデミックスキルをディスカッション、プレゼンテーション、フィールドワーク等を通して養います。
CP2:「生きる」を支えるための知識に関する科目(形態機能学、生化学等)、「生きる」人としての対象理解に関する科目(看護学序論、看護対人援助論等)を開講し、学習のつながりを意識した科目配置として、確かな知識、技術を実践につなげる考え方、方法を養います。
CP3:「生きる」人を支える方法に関する科目(看護展開論、クオリティマネジメント等)、「生きる」を支える看護実践に関する科目(看護援助技術論、看護学実習等)を開講し、看護職が活躍する「場」において多様な看護の方法を経験して、現実社会で看護を実践できる基盤を養います。
CP4:学びを確認するために、総合的な評価(思考力確認、臨床実習前の学修成果の確認等)を適切な時期に配置します。
CP5:「生きる」を支える学問としての看護の探究・発展に関する科目(卒業研究、看護キャリア論等)を4年次に、重点的に配置します。

いずれの科目もその関連性・順序性を重視し、教育内容・方法を工夫しています。また、学修者が自身の学びを確認できる形成的評価も適宜取り入れていきます。

各年次における学び

看護学部の学士課程教育は、〈「生きる」を支える看護〉を実践できる看護職を育成するように構成されています。先に示した6つのDPは、“ひと”という存在のありようを理解したうえで、看護の対象である“人”を支える看護を自らが考え、実践できる力としてあらわしたものです。
看護学部ではまず、“ひと”を「ひとであること(哲学、倫理)」「ひとが生きること(生物、環境)」「ひとが生きている世界(社会、文化)」から多面的に学びます。その“ひと”一般の深い理解から、看護にとって第一義的である対象である“人”への関心・配慮が生起します。それは“ひと”一般が、看護の対象となる“人”となる瞬間です。そのために看護学部の4年間では、“ひと”を知り、“人”とかかわり、その中で看護するための知識と方法(技術=art)を身につけます。

【1年次の学び】

(年次目標)看護を取り巻く社会を理解し、大学で学ぶ力と看護の基盤をつくる
(学修内容)1年次はCP1〈「生きる」を支えることができる思考〉とCP2〈「生きる」を支えるための知識〉に関わる科目を多く配置している。専門科目を積み上げていく準備の学びとなる。

【2年次の学び】

(年次目標)看護を提供できる基盤をつくる
(学修内容)2年次はさらにCP3〈「生きる」人としての対象理解〉に関する科目とCP4〈「生きる」人を支える方法〉に関する科目配置が多くなっている。看護を取り巻く世界を知り、看護を考える上で必要な基礎知識を学び、実践現場における看護を提供するための理論的基盤および次年への実践的な学びの基盤を作る。

【3年次の学び】

(年次目標)実践での看護提供の基盤をつくる
(学修内容)3年次は、CP4〈「生きる」人を支える方法〉に関する科目とCP5〈「生きる」を支える看護実践〉に関する科目が配置されている。これまでの学びを踏まえて、様々な実践現場で、具体的な看護提供の方法を学ぶ。また、看護提供者という視点だけではなく、管理、政策、研究など看護の質を高め、医療サービスの安定した提供を実現できる考え方を学ぶ。

【4年次の学び】

(年次目標)看護実践の質を高める力をつくる
(学修内容)これまでの看護の基盤、また実践者としての学びを踏まえて、CP6〈「生きる」を支える学問としての看護の探究・発展〉に関する科目が重点的に配置されている。看護の質向上のための研究的手法や、これまでの実践での学びを統合し、発展させた学修を行い看護の実践を高めるための力をつくる。

カリキュラムのご紹介

画像をクリックするとPDFファイルを表示します。

※2021年以前の旧カリキュラムはこちらをご覧ください。


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